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(選択を解除)(陵墓課)
古墳時代前期の日本列島内で鋳造(ちゅうぞう)された青銅鏡(せいどうきょう)である。鏡背面(きょうはいめん)にみられる文様は,同じ佐味田宝塚古墳から出土している中国製の神人車馬画像鏡(東京国立博物館蔵)を手本にしながら模倣したものと考えられる。
原鏡(げんきょう)とその模倣鏡(もほうきょう)が同一古墳に副葬(ふくそう)されていたことになるため,国内における鏡の生産と授受の過程を考えるうえで非常に重要な資料といえる。同様に神人車馬画像鏡を模倣したと考えられる類似鏡は岡山県正崎2号墳などでも確認されている。
佐味田宝塚古墳は墳長約111mの前方後円墳で,明治14(1881)年に家屋文鏡(かおくもんきょう)(当部所蔵)など多数の鏡を含む副葬品が出土したことで著名な古墳である。