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戦国時代の前関白九条政基(くじょうまさもと,1445-1516)の自筆日記。所領であった和泉国日根荘(ひねのしょう,現・大阪府泉佐野市)に下り,自ら支配を行なった際(1501-04)に記したとされる。旅引付とは旅行中の記録のことで,公家の日記には珍しく,村落生活や周辺勢力の動向を記すなど,戦国時代の村の様相を知ることができる。画像は文亀元年(1501)年7月20日条で,日根荘内の瀧宮(火走神社)の社頭で行なわれた雨乞いの様子を記した記事である。
(図書寮文庫)
「皇女和宮」(かずのみや)として名高い静寛院宮親子内親王(ちかこ,1846-77)の御直筆の日記。画像は,日記冒頭の慶長4年(1868)1月9日,12日条。徳川慶喜やその周辺の様子を時々刻々記されている。親子内親王は孝明天皇の妹,明治天皇の叔母にあたる。夫である江戸幕府第14代将軍徳川家茂を亡くし,皇女であり,かつ将軍家御台所でもあった複雑な立場で,時代が激しく移り変わる明治初期を記されており興味深い。全5冊。
(図書寮文庫)
本書は花園天皇(第95代,御在位1308-18)宸筆の御日記で,この巻には元弘元年(1331)10月1日から15日までの記事が残されている。この年の8月,後醍醐天皇(第96代,御在位1318-39)は鎌倉幕府討幕の行動を起こすが,本書には後醍醐天皇が幕府方に捕らえられたことや,その時の様子が記されており,南北朝時代の史料として価値が高いものである。